福島県の地酒で楽しむ冬の鍋×日本酒ペアリング8選|料理別おすすめ銘柄も紹介
寒さが身にしみる冬の夜、食卓に立ちのぼる鍋料理の湯気と、心まで温まる日本酒。この組み合わせは、日本の冬を彩る風物詩のひとつと言えるでしょう。
どちらにも旨味成分が豊富に含まれており、一緒に味わうことで相乗効果が生まれ、さらに美味しく感じられます。
この記事では、定番から個性派まで8種類の冬鍋にぴったりの日本酒をご紹介。それぞれの鍋の味の特徴や、ペアリングのコツ、おすすめの銘柄について詳しく解説します。
寄せ鍋 × 純米酒:バランスの取れた旨味を引き立てる
寄せ鍋は、魚介、肉、野菜、豆腐など、さまざまな具材から出る旨味が一体となった、まさに「旨味の集合体」ともいえる鍋料理です。スープは醤油ベースのだしが基本で、あっさりとした中にも深みのある味わいが特徴です。
この寄せ鍋に合わせるなら、旨味と酸味のバランスが取れた純米酒が最適です。米の旨味がしっかりと感じられつつ、出汁や具材の風味を邪魔しない、やさしい酒質のものがおすすめです。特にぬる燗にすれば、鍋の温かさと調和し、体の芯から温まるような一体感が生まれます。
相性の良い銘柄は、「陣屋 特別純米」。
有賀醸造が醸す、コクとまろやかさを兼ね備えた純米酒で、寄せ鍋の優しい味わいに寄り添いながらも、しっかりと存在感を発揮してくれます。
水炊き × 淡麗純米酒:素材の旨味に寄り添う
博多発祥の水炊きは、鶏肉やつくね、野菜などの素材から出る旨味を、シンプルなスープで味わう鍋料理です。味付けは控えめで、ポン酢や薬味を使って自分好みに調整しながら楽しむスタイルです。
この繊細な味わいには、淡麗で香りが控えめな純米酒がよく合います。鶏肉や野菜の風味を引き立てつつ、口の中をすっきりと整えてくれる飲み口が理想的です。ぬる燗にすると、スープの温かさとほどよく調和し、より一層おいしく感じられます。
相性の良い銘柄は、「 国権 純米酒 1.8L」。
淡麗な味わいと控えめな香りで、ポン酢や薬味の風味と調和します。 鶏のうまみを引き立てながら、全体の印象をすっきりまとめてくれます。
おでん × 燗酒純米:出汁の旨味と一体になる
大根、ちくわ、こんにゃく、卵などをじっくりと煮込んだおでんは、優しい甘辛さと出汁の奥深さが魅力の、冬の定番料理です。からしのピリッとしたアクセントも、おでんならではの楽しみのひとつです。
そんなおでんには、まろやかな味わいの燗酒がよく合います。特に、米の旨味をしっかりと感じられるやや辛口の純米酒がおすすめです。熱燗にすることで、具材に染み込んだ出汁の味わいと調和し、しみじみとした旨さが口の中に広がります。
相性の良い銘柄は、「弥右衛門 純米」。
しっかりとした旨味と辛口のバランスが良く、出汁の甘辛さに寄り添います。 燗にすると角がとれ、おでんの味わいがさらに引き立ちます。
すき焼き × 濃醇純米原酒・古酒:甘辛の割下に負けない存在感
甘辛い割下と牛肉、生卵のコクが絡み合うすき焼きは、日本ならではの贅沢な鍋料理です。味付けがしっかりしている分、日本酒もそれに負けない力強いタイプが求められます。
特におすすめなのは、加水調整をしていない純米原酒や、長期熟成された古酒です。これらの日本酒は、濃厚な旨味とコクを備えており、すき焼きの甘辛い割下にもよく合います。また、熟成酒ならではのまろやかな香りと深みは、生卵のコクとも絶妙に調和します。
相性の良い銘柄は、「弥右衛門 かすみ生もと純米」。
米のコクと酸の厚みが割下の甘辛さと調和し、卵のまろやかさにも合います。 ボリュームのある鍋をしっかり受け止める存在感のある味わいです。
キムチ鍋 × 吟醸酒 or にごり酒:辛味と酸味に寄り添う
ピリ辛で酸味のあるキムチ鍋には、日本酒の酸味と甘みのバランスがとても重要です。乳酸発酵による複雑な味わいのスープには、吟醸酒の甘酸っぱさや、にごり酒のまろやかさがよく合います。
華やかでフルーティーな吟醸酒は、キムチに含まれる果実由来の香りと響き合い、発酵由来の酸味とも見事に調和します。一方、甘口のにごり酒は唐辛子の辛さをやさしく包み込み、鍋全体の味わいをまろやかに整えてくれます。
相性の良い銘柄は、「ほまれ 大吟醸 極」。
果実のような華やかな香りと優しい甘みが、発酵スープと絶妙にマッチ。 キムチの酸味や辛さを包み込むような優しい飲み口です。
豆乳鍋 × 生酛・山廃仕込み:まろやかなコクに重なる旨味
豆乳鍋は、豆乳のクリーミーなコクと和風だしの旨味が調和した、体にやさしい鍋料理です。味噌やごまを加えた「ごま豆乳鍋」など、アレンジの幅が広いのも魅力のひとつです。
このようなまろやかでコクのある味わいには、生酛(きもと)や山廃仕込みの純米酒がよく合います。乳酸由来の穏やかな酸味と奥深い旨味が、豆乳スープのまろやかさと心地よく調和し、豊かな味わいを引き立ててくれます。
相性の良い銘柄は、「末廣 山廃純米 720ml」。
やわらかな酸味とふくらみのある旨味が、豆乳のまろやかさと調和します。 ぬる燗にすることで鍋の温かさとなじみ、奥行きのある味わいに仕上がります。
しゃぶしゃぶ × 吟醸酒:さっぱりとしたペアリングで
しゃぶしゃぶは、薄切りの牛肉や豚肉を熱湯や昆布だしにさっとくぐらせ、ポン酢やごまだれで味わう、素材の持ち味を楽しむ鍋料理です。
このような繊細な味わいには、すっきりとした飲み口の吟醸酒がよく合います。香りが控えめでキレのある吟醸酒は、肉の脂をさっぱりと流しながら、旨味を引き立ててくれます。ポン酢の酸味とはも?ちろん、ごまだれのコクともバランスよく調和します。
相性の良い銘柄は、「純米大吟醸 ゆり 1.8L」。
上品な吟醸香とキレのある後味で、ポン酢ともごまだれとも好相性。 しゃぶしゃぶのあっさりとした肉の旨味を引き立てます。
火鍋 × にごり酒:甘さで辛さを包む極上マリアージュ
四川発祥の火鍋は、唐辛子と花椒(ホアジャオ)をふんだんに使った、麻辣(マーラー)スープが特徴の刺激的な鍋料理です。激しい辛さと痺れるような風味の中に、複雑で奥深い旨味が凝縮されています。
このようなインパクトの強い味わいには、濁り酒(にごりざけ)との相性が抜群です。甘みととろみを併せ持つにごり酒は、強い辛味をやさしく包み込みながらも、鍋の力強い風味にしっかりと寄り添います。炭酸を含んだ発泡タイプのにごり酒であれば、口の中を爽やかにリフレッシュしてくれる効果もあり、火鍋の後味を心地よく整えてくれます。
相性の良い銘柄は、「花泉 純米吟醸 活性にごり酒」。
シュワッとした発泡感とにごりの甘みが、火鍋の辛さと刺激をやさしく包み込みます。 飲み口は軽やかで、強い味わいのスープとも好バランス。冷やして飲むと、より爽快感が際立ちます。
まとめ
鍋料理と日本酒のペアリングは、味の濃さや香りのバランスを意識して選ぶことで、より一層楽しみが広がります。以下のように、鍋の種類に応じて日本酒を選ぶのがおすすめです。
⚫︎あっさりとした鍋には、淡麗辛口の純米酒や吟醸酒
⚫︎甘辛い味付けの鍋には、濃厚な純米原酒や古酒
⚫︎ピリ辛系の鍋には、フルーティーな吟醸酒やにごり酒
⚫︎クリーミーな豆乳鍋などには、生酛や山廃仕込みのまろやかな酒
また、鍋も日本酒も温度帯によって味わいが大きく変化します。燗酒で温かさを楽しむのもよし、冷やしてすっきりとした飲み口を味わうのもよし。ぜひご自身の好みに合わせて、最適な組み合わせを見つけてみてください。
寒い季節だからこそ、自宅で気軽に楽しめる「鍋×日本酒」のペアリング。心も体もぽかぽかと温まる冬のひとときを、ぜひお楽しみください。きっと、新たな美味しさとの出会いが待っています。


