福島で日本酒イベントを楽しもう!会津若松・喜多方・南会津の「乾杯」イベントを紹介
福島県の会津地方には、地域の日本酒を囲み、みんなで杯を掲げる「乾杯イベント」があります。
会津若松では鶴ヶ城を舞台に会津清酒を味わい、喜多方では数多くの地酒を飲み比べ、南会津では町内4蔵の日本酒と地域の食を楽しめます。同じ「日本酒で乾杯」というテーマでも、場所によって開催時期や内容はさまざまです。
今回は、会津若松・喜多方・南会津で行われている乾杯イベントを紹介します。その土地ならではの日本酒や食、器などにも注目しながら、会津の酒文化を楽しんでみましょう。
日本酒の「乾杯イベント」とは?
日本酒の乾杯イベントとは、地域の日本酒を味わいながら、参加者みんなで乾杯を楽しむ催しです。
複数の酒蔵の日本酒を飲み比べられるだけでなく、地元の料理やおつまみを味わったり、地域の酒器を使ったりと、その土地の文化を一緒に体験できるイベントもあります。
福島県の会津地方では、日本酒を地域の文化として大切にしてきました。会津若松市、喜多方市、南会津町では、それぞれ地元の酒による乾杯を後押しする条例が制定されています。
会津若松市では2014年に「会津清酒の普及の促進に関する条例」を制定。喜多方市でも同じ2014年に「喜多方産の酒器に注いだ日本酒による乾杯を推進する条例」が制定されています。
南会津町では、それよりも早い2013年6月21日に「南会津町乾杯条例」が施行されました。
こうした背景もあり、それぞれの地域では「乾杯」をきっかけに地酒や食、伝統工芸などを楽しむイベントが続けられています。
10月1日は「日本酒の日」
日本酒の乾杯イベントを知る上で覚えておきたいのが、10月1日の「日本酒の日」です。
日本酒造組合中央会が1978年に10月1日を「日本酒の日」と定めました。秋は新米の収穫を迎え、新しい酒造りが始まっていく季節です。
毎年この時期には、全国各地で日本酒を楽しむ催しが開かれています。2026年も9月26日から10月4日まで「日本酒で乾杯!WEEK」が設定されています。
会津地方でも、会津若松では例年10月1日に乾杯イベントが行われています。喜多方でも長らく同日にイベントが開催されていましたが、昨年からは10月1日を目前とした、9月末の土曜日に移すことで、多くの参加者が集まるようになりました。
一方、南会津のイベントは6月に行われます。この理由については後ほど詳述いたしますが、南会津は他の地域と違う時期に開催していることが、特徴のひとつともいえます。
会津若松|鶴ヶ城で「会津清酒で乾杯」
会津若松で例年開催されているのが、「会津清酒で乾杯」と「会津清酒屋台村」です。
2025年は10月1日に鶴ヶ城帯郭で開催されました。「会津清酒屋台村」は17時から20時まで行われ、18時には参加者が一斉に杯を掲げる「会津清酒で乾杯」が実施されています。
2025年には、花春、名倉山、辰泉、榮川、鶴乃江、末廣、会津娘、宮泉など12蔵が参加。それぞれの蔵の日本酒を少しずつ味わえる屋台が並びました。
さらに、先着500人には乾杯用の会津漆器の盃が用意されました。
会津若松のイベントの魅力は、日本酒だけではありません。会津漆器の盃や地元のおつまみ、鶴ヶ城という風景まで含めて、会津らしさを一度に楽しめます。
お城を眺めながら会津若松の酒蔵の日本酒を飲み比べるという体験は、酒どころであるこの地域ならではです。
なお、2026年8月25日時点では、2026年の「会津清酒で乾杯」「会津清酒屋台村」の詳細はまだ発表されていません。参加を考えている方は、会津若松酒造協同組合などの最新情報を確認してください。
喜多方|30銘柄以上を楽しめる「喜多方KANPAI祭り」
喜多方で開催されるのが「喜多方KANPAI祭り」です。
2026年は9月26日、喜多方市役所前駐車場と御清水公園で開催されます。時間は15時から19時までで、参加費は4,000円です。
イベントでは、喜多方の銘酒30銘柄以上を飲み比べられるほか、福島県内の蔵元の日本酒も用意される予定です。
喜多方は古くから酒造りが盛んな地域です。飯豊山をはじめとする山々からもたらされる良質な水にも恵まれています。2024年には、喜多方市と西会津町を産地とする清酒が地理的表示「GI喜多方」に指定されました。
喜多方KANPAI祭りでは、日本酒だけでなく、地元の食も大きな楽しみです。2026年は市内事業者やキッチンカーなど30店舗以上の出店が予定されています。
さらに、事前申込者には喜多方の伝統工芸である漆器のお猪口が用意されます。
喜多方市の乾杯条例でも「喜多方産の酒器に注いだ日本酒による乾杯」を掲げていますので、地酒を地元の器で味わえるところまで含めて、喜多方らしいイベントといえるでしょう。
ソフトドリンクやスイーツも用意され、子どもも入場できるため、日本酒好きだけでなく家族でも立ち寄りやすいイベントです。
南会津|6月に開催される「南会津の日本酒で乾杯!」
会津若松や喜多方とは開催時期が異なるのが、南会津の「南会津の日本酒で乾杯!」です。
2026年は6月19日に南会津町役場駐車場で開催されました。
なぜ南会津だけ6月なのでしょうか。
その理由は、2013年6月21日に施行された「南会津町乾杯条例」にあります。南会津では、この条例が制定された時期に合わせて乾杯イベントが行われています。
イベントの中心となるのは、南会津町にある国権酒造、開当男山酒造、会津酒造、花泉酒造の4蔵です。
2026年は4蔵の日本酒100本が無料で振る舞われたほか、純米大吟醸などの有料提供も行われました。
さらに南会津ならではなのが、日本酒以外の地域産品との組み合わせです。
2026年は那須塩原産のチーズや、日本酒・酒粕を使ったスイーツなども販売されました。国権酒造の酒粕を使用したイベント限定の「酒粕のテリーヌ」も登場しています。
南会津町と那須塩原市では、日本酒と牛乳を通じた交流も行われており、イベントでは牛乳も振る舞われました。
南会津の日本酒は2024年に「GI南会津」に指定されています。豪雪地帯ならではの水や気候から生まれる日本酒と、山菜やキノコ、南郷トマトなど地域の食材を一緒に楽しむのもおすすめです。
同じ「乾杯」でも楽しみ方はそれぞれ
会津若松、喜多方、南会津の乾杯イベントには、それぞれ違った魅力があります。
鶴ヶ城という歴史ある場所で会津清酒と会津漆器を楽しむ会津若松。数多くの銘柄と地元グルメを一度に味わえる喜多方。そして、町内4蔵の日本酒と地域の食、さらには牛乳やチーズとの交流まで楽しめる南会津。
単に日本酒を飲むだけではなく、酒器や料理、街並み、地域の人との交流まで含めて楽しめるのが、こうしたイベントの魅力です。
イベントに合わせて街を歩いたり、周辺の酒蔵を訪ねたりすることで、日本酒が造られている土地をより身近に感じられるでしょう。
なお、飲酒を予定している場合は、公共交通機関やタクシーなどを利用してください。20歳未満の飲酒や飲酒運転は絶対に避けて、食事や水分も取りながら無理のないペースで楽しみましょう。
福島の日本酒を、その土地で味わってみよう
日本酒は自宅でゆっくり楽しむのもいいものですが、造られている土地を訪れると、その一本をまた違った角度から知ることができます。
会津若松では鶴ヶ城を眺めながら。喜多方では地元の漆器を手に。南会津では4つの酒蔵と地域の食を囲みながら。
それぞれの土地の風景や文化と一緒に味わうことで、福島の日本酒がより身近に感じられるかもしれません。
旅行の予定を立てるときには、こうした乾杯イベントの開催日に合わせて、会津を訪れてみてはいかがでしょうか。

