福島県の酒蔵も多数受賞!全国新酒鑑評会・SAKE COMPETITION・IWCの違いとは?
日本酒を選ぶ際、「金賞受賞」「世界で評価された」といった言葉を目にすることがよくあります。
ただ、同じ“受賞”でも、どの審査会で評価されたのかによって、見ているポイントや賞の位置づけは変わります。
福島県は、全国規模の鑑評会を中心に受賞が話題になることも多く、気になる銘柄に出会いやすい地域です。この記事では、よく名前が挙がる3つの審査会「全国新酒鑑評会」「SAKE COMPETITION」「IWC(International Wine Challenge)」について、違いを分かりやすく整理します。
日本酒の3大コンテスト比較表
最初に結論をまとめると、3つの審査会は評価の目的・対象・表彰の仕組みがそれぞれ異なります。受賞表記を読むときは「何を評価した賞なのか」を押さえるのがポイントです。
| 観点 | 全国新酒鑑評会 | SAKE COMPETITION | IWC(SAKE部門) |
|---|---|---|---|
| 概要 | 酒造技術や酒質を評価する鑑評会 | 市販酒の味わいを評価 | 国際的な枠組みで日本酒を審査 |
| 審査対象 | 吟醸酒の原酒が中心(出品要件あり) | 原則として市販されている日本酒 | カテゴリー別に出品酒を審査 |
| 審査方法 | 成分分析+ブラインドによる官能審査 | ブラインドによる官能審査 | ブラインドによる官能審査 |
| 賞の種類 | 入賞/金賞(段階あり) | GOLD/SILVER等(年・部門で順位公表の場合あり) | Gold/Silver/Bronze等のメダル+トロフィー等上位賞 |
全国新酒鑑評会とは?
全国新酒鑑評会は、日本酒の品質や酒造技術を評価する全国規模の鑑評会です。全国の酒蔵が出品したお酒を審査し、その結果を品質・技術の向上に活かすことを目的としています。
出品されるのは主に「吟醸酒の原酒」で、普段店頭に並ぶ商品とは仕様が異なる場合があります。審査は、成分分析(数値によるチェック)と官能審査(香りや味わいの評価)を組み合わせて行われます。金賞を受賞することは、その年の出品酒の中でも高く評価されたことを示し、酒蔵の技術力を知る目安のひとつになります。
表彰は「入賞」と「金賞」の二段階で発表されます。まず入賞酒が選ばれ、その中から特に評価の高いものが金賞酒として選ばれます。
ただし、鑑評会に出品されるお酒は審査用の条件に沿って造られるため、金賞を受けた出品酒と、店頭で販売されている同銘柄の商品が完全に同一とは限りません。受賞表記は「蔵としての評価」として受け止めると、理解しやすくなります。
SAKE COMPETITIONとは?
SAKE COMPETITION(サケ・コンペティション)は、2012年に始まった日本酒のコンテストです。審査対象は、実際に市販されている日本酒に限られています。
特徴のひとつは、銘柄名を伏せて行うブラインド審査です。審査員は銘柄や蔵元を知らない状態で、香りや味わいを中心に評価します。知名度やイメージの影響を抑え、味わいを基準に比較する仕組みと言えます。
結果は部門ごとに発表され、GOLDやSILVERなどの賞が与えられます。年や部門によってはGOLDの中で順位が公表されることもあり、「純米酒部門 GOLD 1位」のように分かりやすく示されます。市販酒が対象のため、受賞銘柄を見かけたら「まず飲んでみる」につなげやすい点も特徴です。
IWC(International Wine Challenge)とは?
IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)は、イギリスを拠点とする国際的な酒類コンテストです。ワインの審査会として知られていますが、日本酒(SAKE)部門もあり、2007年に設けられました。審査は国際的な審査員によって行われます。
IWCのSAKE部門では、日本酒を複数のカテゴリーに分けたうえで、銘柄名を伏せたブラインド審査で評価します。結果はGold/Silver/Bronzeなどのメダルとして発表され、さらに特に評価の高いお酒にはトロフィーやChampion Sakeなどの上位賞が用意されています。
IWCの受賞歴は、「国際的な審査で評価された」という情報として、世界に向けた分かりやすい目安のひとつになります。国内の審査会とは別の角度で日本酒を知る手がかりにもなるでしょう。
福島県の受賞傾向:全国新酒鑑評会で高い水準が続く
福島県は、全国新酒鑑評会での受賞数が多いことで知られていて、9回連続で日本一の金賞受賞数も獲得しています。公表資料にもとづく直近5年(令和2〜6酒造年度/R02〜R06)の範囲では、福島県の入賞数は28〜32、金賞数は14〜18の間で推移しており、年ごとの変動はあるものの高い水準が続いています。
| 酒造年度 | 福島:入賞 | 福島:金賞 |
|---|---|---|
| R02 | 32 | 17 |
| R03 | 32 | 17 |
| R04 | 28 | 14 |
| R05 | 31 | 18 |
| R06 | 30 | 16 |
また、近年の受賞一覧などで名前を見かけることが多い蔵の例として、松崎酒造(銘柄:廣戸川)、玄葉本店(銘柄:あぶくま)、東日本酒造協業組合(銘柄:奥の松)、鶴乃江酒造(銘柄:会津中将)などが挙げられます。受賞歴のある酒蔵が複数ある点は、福島の日本酒を楽しむうえでの魅力のひとつです。
まとめ
全国新酒鑑評会、SAKE COMPETITION、IWCはいずれも受賞が注目されますが、評価の視点は同じではありません。
・全国新酒鑑評会:酒造技術や酒質を評価する鑑評会 ・SAKE COMPETITION:市販酒の味わいをブラインドで評価 ・IWC:国際的な枠組みでカテゴリー別に審査し、メダル等で発表
受賞表記を見たときに「どの審査会の、どんな賞なのか」を押さえるだけで、情報の読み解きやすさがぐっと上がります。福島をはじめ、気になる産地や銘柄を選ぶ際のヒントとして、ぜひ活用してみてください。
参考URL
【全国新酒鑑評会(公表ページ)】 https://www.nrib.go.jp/data/kan/shinshu/award/
【SAKE COMPETITION(公式)】 https://sakecompetition.com/
【IWC SAKE(公式)】https://www.internationalwinechallenge.com/fr/about-the-sake-competition.html
【福島県:全国新酒鑑評会の結果】https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/32031c/20250521sake.html


